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青年海外協力隊20-1ウガンダ薬剤師からのちょこっとウガンダ便り。


by yuki_nov14
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信じるということ。

これを書いていいものか悩んだけど、でもできるだけ現実を伝えたいと思って書くことにしました。


先日、病院のメインストアから薬局に薬を運んだあと、ほんの数分、5分未満の時間の間に、ある薬が無くなっていました。


協力隊に応募して2次試験を受けた時、面接官から聞かれたこと、
「もしあなたと同僚が2人きりで同じ部屋にいて、いつの間にか薬がなくなっていたらどういう対応をしますか?」
日本ではありえないこと。
さすがに経験したことないことへの対処は想像に頼るしかなく、
「同僚だとしてもきちんと注意したいと思います」と答えておいた。

そしていまアフリカにきて、面接官から言われたこと本当に起きてます。

ウガンダでは公立病院、公立ヘルスセンターの医療サービスはすべて無料です。もちろん医薬品代もタダ。
病院は予算の中から薬を買っていますが、無償で患者に提供しています。

しかし、公立病院やヘルスセンターの薬が、そこで働くスタッフの手によって民間のそこらへんの薬局へ転売されることが現実に起こってます。
病院外の薬局へ転売するだけではなく、病院内での転売も起こってます。
薬局から払いだしたあと、病棟のスタッフによって入院患者に売られているということです。
病棟スタッフの実際は、私が見たことないのではっきりとは言えませんが、でも信頼している薬局スタッフが言っているので本当みたいです。

薬は、スタッフが儲けるための一番都合のよい手段になってしまうわけです。

ここにきて1年。うまくいかないこともいっぱいあって、スタッフと衝突することもあったけど、でも少しずつ進歩しているように感じていた今日この頃。
今日の事件が起こってしまった。メインストアから薬が無くなったのは、これで私が赴任して2回目のこと。

いくら私が頑張って在庫切れをなくそうと購入計画を立てたり、患者全員に薬がいきわたるように工夫していても、
結局は、転売するスタッフや、盗むスタッフがいる限りは意味のないことで。

前に看護部長が言っていた言葉が思い出される。
「ユキ、アフリカでは誰も信じることができないんだよ。」

メインストアの事件も、大体の事件像から思い当たる人がいるんだけど、
でもその人は薬局の仕事も手伝ってくれるいい人で、そんなことするなんて信じられない。

この1年で築いてきた信頼関係。看護部長がい言うように本当は誰も信じれないだろうか?
でも、薬局のスタッフ、メインストアの責任者、この人たちは絶対に薬を転売したり売ったりするようなことはしないと信じれると信じてる。

確かに病院のスタッフの給料は低い。
だからと言って無償で患者に渡るべきはずの薬から利益を得ることは許されない。
貧しさがそうさせてしまうのか。
お金がないということは人のココロも変えてしまうのだろうか。


誰を信じて誰を信じないか、そんなこと言っていたら仕事ができない。
病院で働くスタッフは患者のために働くというココロがあることを信じるしかない。
by yuki_nov14 | 2009-07-03 01:46 | Work