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青年海外協力隊20-1ウガンダ薬剤師からのちょこっとウガンダ便り。


by yuki_nov14
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Annual leaveと人手不足

ここウガンダでは、公務員の人は1年に1回1か月間マルマル有給休暇がとれる制度、Annual leaveがあります。
このAnnual leaveなかなかのくせ者です。

というのも去年8月に病院に配属されて以来、毎月のようにスタッフがAnnual leaveで1人欠けるんです。
今薬局のスタッフは5人で、あたしを入れると6人。
うちの薬局長は忙しいからって人を増やしたいと言っていますが、あたしは5人で十分と思ってます。
確かにうちの病院は忙しいのですが、もしこの5人がフルに働ければ薬局は、きっと、余裕です。

きっと、と書いたのは実は今までに一回もこの5人がフルに働いたことがないから。

というのも5人のうち1人は、サボりの常習犯で月に5、6回しか来ない本当にどうしようもない人なんです。
それがかれこれ5年以上続いてるらしい。
あたしは「そんな人クビにすればいい。日本だったらクビ当たり前だよ」と言ったら、
薬局長は「クビにはできない、クビにしたら彼と彼の家族はのたれ死ぬだけだ」と言います。
まぁ、確かにそのとおり。でもこの人が毎日ちゃんと来てくれたらどんなに助かるだろうかと思ってやみません。今、彼の人事については薬局長の権限を超えて病院長と事務局長にゆだねられているので、処分なり改善策なりを待つのみです。

というわけで、実際に期待できる人数は4人プラス私ということになります。
そして9月、11月、12月と1人ずつAnnual leaveに入っていたので、その時は3人プラス私。
たまに病欠とか家の用事で休む人がいたら2人プラス私。
病院内の会議に薬局長と私が出席してしまったら…薬局に残るのは1人。

実際私も病院全体のNurseの会議があったときに朝から夕方まで一人でひたすら調剤というのを経験したことがあります。

だからAnnual leaveはくせ者なんです。

そして実はこの3月は私のカウンターパートであり、薬局長でもあるShabanがAnnual leaveに入っています。
今までずっと、何か提案するときはShabanに言ってきたし、病棟を巡回して医薬品管理状況をチェックするのもShabanと一緒にやってきたし、会議もいつもShabanと一緒に出てたし、とにかく彼を頼りにやってきました。
その彼がAnnual leave、最初は「ま、Shabanいなくても頑張らないとね」と思ってたけど、
実際彼がいないと、自分の仕事が全く進まないことに気付きました。

これまでは「こうしたらいいんじゃないか」「ここが問題だと思う」という意見をShabanにぶつけてきて、
そしてShabanが薬局スタッフに伝達して、いろいろシステムを変えてきたので、
Shaban抜きでいろいろ変えるのはどうかな、って思う点もあれば、
いやいや他の薬局のスタッフにも意識向上してもらうために問題提起したほうがいいのでは、ともう点もあり、
どうやってこの3月を乗り切ろうかと考えていたら…
気づいたらもう3月は終わろうとしています。結局何もできていない。

やっぱり彼抜きでは重要なことは決定できないなぁと、4月になるのを待つことにしました。
実際、病院としもARVの発注のことやらShabanが書記を務めている月1回開催予定のMTC(Medicine&therapuetic Committee) meetigも開催されなかったし、彼がいないと困ってます。

この際Annual leaveなんて制度やめてしまえばいいのに、と思って前Shabanに言ったことがあります。
「日本で1ヶ月も休むなんて考えられない!Annual leave長すぎだよ。なくしていいんじゃない」と。
すると、Shabanは
「Annual leaveは公務員の権利。普段一緒に過ごすことのできない家族を一緒に過ごして、家の用事をするために絶対必要。」とのこと。

確かに、家族と一緒に過ごすっていうお休み、日本人感覚ではない発想かもなぁ。
でもでも、病棟でも、Annual leave1人、Maternity leave2人という1ヶ月に3人もいなくなるという非常事態が発生してるんです。
薬局に薬に取りに来ないから「何で!?」って聞いたら、「スタッフ不足」とのこと。
結局患者さんへの治療が遅れてる。

やっぱりAnnual leaveはくせ者だと思う。
by yuki_nov14 | 2009-03-31 01:03 | Work