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青年海外協力隊20-1ウガンダ薬剤師からのちょこっとウガンダ便り。


by yuki_nov14
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処方権

前にも書いたのですが、ここウガンダでは患者を診察する人にDrとClincal Officerrという2種類の人がいます。
DrはMedical Officer(MO)とよばれ日本と同じように6年制医学部を卒業したひと。
Clinical Officer(CO)は3年制の専門学校を卒業したひと。

COは申し訳ないけど診察能力に疑問が残る処方内容であることがしばしばです。
外来患者がきたら、大した検査も診察もせずまずはマラリア。
入院させる時もとりあえず抗マラリア薬処方。
小児に対する投与量も多すぎたり少なすぎたり。
処方箋書いて、一番最後に検査のオーダー書いているCOがいたり。
(それじゃその処方内容はどっから来てるんだ?って思いますが)
そんな感じです。
あ、でも中にはきちんと診察しているCOもちゃんといるのですが数少ないです。

うちの病院では入院患者は基本的にDrが診てるのですが、
Drの診察後に入院時に書いたCOの処方がまったく変えられていることもしばしば。
そしてDrが一人しかいないため、病院運営業務と兼務すると
入院患者の診察がどうしても週1回か2回になってしまいます。

そんなこんなで、病棟では看護師が処方していることもしばしば。
その看護師が書いた処方内容に間違い(妊婦に対する禁忌薬の処方や、投与量ミス)をみつけることもしばしば。
看護師の判断で患者を退院させて、再入院しているケースもしばしば。

正論を通せば看護師は医師の許可なく処方するべきではないのですが、
それを全く認めないと治療が遅れる患者が多くなる一方。
Drが一人しかいない状況はすぐには変えれないので、
どうにかCOの中から一人病棟を診る人を出してもらうようにお願いしていますが
ここはアフリカ、ウガンダ。そう簡単に人は動いてくれません。
来月からそのシステムを始めると約束してくれてはいるんですが
本当に始めてくれるかどうかはわかりません。

Drがいないから入院患者の診察が後手後手になる。
かといってCOは動かないし診察しても結局間違った診断を下す。
その結果患者の状態は悪化し、看護師が処方する。
でもその薬も時々間違ってる。
結局の原因は人手不足が問題なのかもしれません。
人手不足は今に始まったことではないし、すぐに解決できることでもない。
そんな中どうしたら患者さんに適切な医療を受けてもらえるか。
悩みどころ満載。そんな毎日です。
by yuki_nov14 | 2009-01-21 02:00 | Work