青年海外協力隊20-1ウガンダ薬剤師からのちょこっとウガンダ便り。


by yuki_nov14
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カテゴリ:Work( 30 )

ウガンダの医薬品事情

ここ最近、病院の薬の在庫状況が非常に悪い。悪過ぎます。

処方箋を受け取っても、何も患者さんに渡せないことがしばしば。
渡せたとしても、在庫があるのはたった1種類だけってこともしばしば。
いったい自分は薬剤師としてここで何をしているのだろうと、情けなくなってしまいます。

ウガンダに来る前に知っていた途上国の医薬品事情は、
「先進国の大企業製薬会社が特許を牛耳っていて、薬が高くて途上国は薬が買えない」と言うこと。
ウガンダに来てみて、確かに日本にあるような最新薬は手に入らないけれども、
でも一応WHOの定める必須医薬品はインドや中国、そしてウガンダの製薬会社がジェネリック薬を製造していて、ウガンダ国内でも入手できるように法整備されています。
そして国の卸のカタログにも必須医薬品が掲載されています。
世界的に言われている必須医薬品へのアクセスは一見可能なように見えます。


そして実際片田舎の県病院で働いてみて知ったウガンダの医薬品事情。
・国全体のお金がなくて、国が定める卸に十分にストックがない。
・国全体のお金がなくて、病院の需要に見合った予算配分がされていない。
予算は県の人口によって配分されているということだけども、私が計算したカプチョルワ病院の医薬品平均消費量の3カ月分しか、来年度1年分の予算が配分されていなかった。
・配分された予算分卸にオーダーしたのに、3分の1程度しか配送されない。そしてその後のフォローアップがない。配送されなかった分の残った予算がいつの間にか卸にある病院の口座から消えているらしい。
・ヘルスセンターのスタッフが仕事に来ないから、患者さんみんな病院に殺到するらしい。そして、病院での薬の需要量が予算配分より多くなってしまっている。
・ヘルスセンターのスタッフが薬を不正流用して私営薬局に転売しているのでヘルスセンターに薬がないらしい。だから患者さんは病院に殺到するらしい。
・クリニカルオフィサーによるPolypharmacy(不必要な薬の処方)がとても多い。
それが消費量にかなり影響する。マラリアの検査せずに抗マラリア薬、ただの風邪に同種同効2種類の抗生剤処方。ただの風邪に注射抗生剤単回投与。感染症じゃないのにとりあえず抗生剤投与。などなど。
・患者がマラリアの仮病で来院。頭痛、筋肉痛=マラリアでクリニカルオフィサーも簡単に抗マラリア薬処方。この背景には、ヘルスセンターが遠すぎで夜間マラリアになった場合に困るので、常に自宅に抗マラリア薬をストックしておきたいという事情があるそうだ。そしてそんなにむやみに抗マラリア薬(ACT)を処方し、患者も3日間飲みきらないので、ACTに対する耐性が出始めているらしい。これは結構世界的に問題になると思う。


来週には卸が薬を配送に来る予定です。その予定もたびたび遅延します。
それでも、今度こそ注文した医薬品、医療材料が100%納品されることを祈るばかりです。
病院内でのPolypharmacy問題は、私がもっと頑張るべきだった課題です。あと1か月で何ができるのか。
ヘルスセンターの問題は、県保健課と国が動いてくれないとどうにもなりません。
抗マラリア薬問題も今後どうなるのか、気になります。ACTに耐性が出てしまったら今後どうなるのか。。。

結局2年間で医薬品事情に根本的にかかわる活動はできなかった。
もちろんこの問題を一隊員が解決なんてできるわけないことはわかっていましたが、それでもやっぱり
毎日毎日患者さんに「This medicine is out of stock. Please buy it.」と告げなければならないのは、
薬剤師隊員として無力さを感じるばかりです。
でも、自分なりに草の根レベルで問題を把握することができたことが、やっぱり協力隊員としての収穫なのでしょうか・・・。


(薬局ストア。在庫がなくがらんとしてます)
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(もう抗生剤が全然ないです。CotorimoxazoleはHIV患者さんのためだけにキープしてます)

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by yuki_nov14 | 2010-05-11 01:39 | Work

ちいさなよろこび。

ちょうど3年前の5月、ここウガンダに来るために協力隊の二次試験を受けた時、面接で質問されたこと。

「途上国では、あなたとスタッフが同じ部屋にいて、いつの間にか薬がなくなっているということが当たり前に起こります。その時どうしますか?」

3年前は、そんなことが起こるなんて、全くの想像の世界で自分がそのことに対して何ができるかなんてうまく答えることはできなかった。


そして今、ウガンダの病院で約2年間働いて、面接で質問されたことが、
本当に当たり前に起こってしまっている。
病院全体にストックカードを導入したけど、記入は適当、実際の数とあってないことしばしば。
スタッフによって盗まれてるとか、クリーナーが盗んでいるとか、そういう話をよく聞く。

つい先日は、ついに自分の目でスタッフが高い注射薬を鞄に入れているところを目撃してしまった。

スタッフによる薬の不正流用については、ウガンダ国内で最も大きな問題としてあげられいて、
病院内でもいつも会議で取り上げられる問題で、もちろんみんながみんな不正を働いてくわけじゃなく、
ごく一部の人が不正を行っているのだけれども。


もう2年もウガンダにいたら、そういう話題にも慣れてしまって、いつも薬局ではいつの間にか自分のボールペンがなくなってる(たぶんほかのスタッフが使ってそのまま返してくれない)ことなんてしょっちゅうで、なくなるたびに買うことにももう慣れっこになっていた最近。

先週も「あれー赤いボールペンがなくなったなぁ」と思ってそのまま気にせずにいたら、
今日、小児病棟のスタッフが「ユキ、オーダリングブックにあなたのボールペンが挟まってたよ」って持ってきてくれた。

それはもしかしたら当たり前のことかもしれないけども、なくなったと思っていたたった100シリングのボールペンが手元にもどって来た今日、、やっぱりみんながみんな不正をするわけじゃないんだって信じれたし、
すごく心がほっとして温まった。

きっと薬も盗まれなくなる日がいつか来るはず。

こんな小さなよろこびを、1か月半後に日本に帰ってからも感じれるんだろうか。

あと少しのウガンダでの生活を満喫しなければ。
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by yuki_nov14 | 2010-05-11 00:35 | Work

やるべきこと

気がつけば、いつの間にか4月が終わってしまっていて、着々と帰国日が近付いてしまっています。

ウガンダ人の友達からは「カウントダウンだね」とか言われるけども、
自分の中では全く実感なく、というか、実感したくないのかもしれません。

なぜだろうって考えると、やっぱり浮かんでくるのは仕事のこと。

この2年間で完了できた仕事が一つもないと感じています。

もちろん新規派遣で、カプチョルワ病院にはそもそも薬剤師なんていなかったし、
Dispenserすらいなかったので、たった2年ですべてをうまく回すなんて無理なのかもしれません。

スタッフサイドから見たら、結構変化があるようですが、
私の視点からは、まだまだ改善しなければいけないことは山ほど待っていて。

最近思うに、もうこの1ヶ月半ではどうしようもないんじゃないかという、若干のあきらめ。

それでも、あと少し頑張らなきゃと思ってはいます。


5S中心に動いていたから、薬のこと、薬剤師の仕事を結構ほったらかしてしまったなとちょっと反省。


今できることと言えば、新しいことを始めるよりも、今までやってたことをもう少し深く掘り下げること。
自分より後に来た後輩隊員さんたちが、頑張ってみるのを見たり聞いたりすると、うらやましくなってしまいます。
やっぱり2年は短い。


それでも時間は限られているわけで、納得できるよう突っ走るしかないいのかもしれません。

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by yuki_nov14 | 2010-05-06 00:18 | Work

今日まで、そして明日。

あと2か月ちょっととなった今、もっとやっとかなければいけないことはたくさんあるけれども、

一人で勝手に動いても意味ないから、ウガンダ人スタッフをうまく巻き込めるよう見計らっていると、

結局動けない。。。な~んてことにもなってしまう気がしてるこの頃。

赴任当初は、何をやるにも全部自分から提案して、自分が仕切って、って感じだった気がするけど、
それでも、最近はスタッフから「これをやりたいから助けて」って言ってもらえることがたまにある。

薬剤師としてうれしかった最近の瞬間。

TB Ward(結核病棟)のEnrolled Nurseが小児投与量と相互作用について相談しに来てくれた。

何度呼びかけても実現しないClnical OfficerとのMeetingだけど、I/C Clinical Officerが
彼の行ったSTIのWorkshopの資料を持ってきてくれて、この資料を作ってほしいと言ってくれた。

そして今週木曜日にはついにClinical OfficerとのMeetingが実現。
薬剤師として発言を求められ、Polypharmacyやめましょう!抗生剤を適正使用しましょうっ、小児の体重ちゃんと量って投与量決めましょうて呼びかけた。


HIV clinicのスタッフに小児ARVの用量が少なすぎる気がすると、疑義照会に行ったら、やっぱり少なかったので処方訂正して、「Thank you for your concern」って言ってもらえた。

そして今日。

5Sで最初全く協力的でなかったPaediatric Ward(小児病棟)のI/Cとは、5Sを通じて仲良くなって、
Early Infant Diagnosis=EID(新生児または妊婦のHIV statusを病院各部署がチームとなって把握し、新生児をもれなくHIV治療に取り込めるようにする、院内のシステム作り)のための資料を作ってほしいと相談された。


そう、私がアフリカに来たいと思ったきっかけはHIV/AIDSとそれにまつわる医薬品の状況をこの目で見たかったからだった、と思いだした。


本当はもっとHIV careに携わりたかったけど、薬局内のことや、他の病院全体のことにいっぱいいっぱいであまりHIV careには関われなくて、もうこのまま関わらないまま終わりかなぁと思ってた今日、P/WのI/CにEIDの話を相談されて、ちょっとうれしくて、そしてわくわくしてきた。

もっと早くにいろんなことをやりたかったと後悔しても仕方ない。

今までのマンパワーとして働いた分、すごく大変だったけど病院全体の問題を把握することができた5Sプロジェクト、それがあるからこそ今日がある。そして明日もきっとある。


よし、帰ってSTIとEIDの資料を作るとするか。
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by yuki_nov14 | 2010-04-11 01:48 | Work

薬剤師の役割...

最近5Sの話ばっかり書いてますが、むしろそれしか書くことがない!って言うくらい5Sしかやってません(笑)

本来の私の薬剤師としての役割は(JICAの要望調査票に書いてあったのですが)
1.在庫管理能力の向上
2.適切な服薬指導の向上
だと思いますが、今は結構薬局のことを放り投げて、5S一筋です。

一度始めるとやめるにやめれなくのが5S。

何しろうちの病院は長い間、いろんなことがぐちゃぐちゃでそれがそのままにされていて、整理整頓するだけでもかなり大変。
整理整頓=モノの管理であって、たとえば各病棟のベッド数とかマットレスの数を把握しようとしても、書類上の数と実際の数が全然違ったり。

やればやるほど、「こりゃ薬剤師の仕事じゃない」なーんて思ってしまいます。


でも、5Sをやりたかったのは、そのぐちゃぐちゃが原因で、みんな仕事がやりにくくなってて、
そして薬の管理も適当になってて。

整理整頓して職場環境が向上すれば、絶対に医薬品管理も向上する。
そして患者さんも治療を十分に受けれるようになるはず。
そう信じて始めたものの。

でもあと3ヶ月を切ってしまうと、このまま5Sだけやってていいのかなぁと不安になることも。

処方監査のために薬局スタッフに残したい情報、
医薬品適正使用のためにクリニカルオフィサーと共有したい情報、
入院カルテの医薬品投与記録の改善、
薬局長とストアキーパーへの在庫管理方法の伝達、
病棟ストック薬の見直し、
ヘルスセンターの在庫管理把握、
カプチョルワ県民へのラジオ健康教育、
などなどなどなど。。。。

書き始めると止まらないくらい、やりたいこと、やらなければいけないことが残されてるのに。

2年間という期間は長いようで短いようで。やっぱり短い。

今ようやく、スタッフからも信頼を得て、病院だけじゃなく県庁保健課にもコネができて、
ボランティアって言うか、「薬剤師の役割」が本格的に果たせそうになってきた、
そんな頃に2年は終わってしまう。

最初の自分の力が足りなくて、1年目が駄目だったのかなぁとも思ったり。
5Sをもっと早くに始めればよかったのかなぁって思ったり。

いろんな日本の友達が、「後悔しないように頑張れ」ってメールくれるけど、
後悔しないなんて不可能なんじゃないかなと思ったり。


それでも時間は限られてるわけで、最大限の努力で最大限の効果を残せる活動をするのみ。

そんなこんなで3月は終わっていきます。
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by yuki_nov14 | 2010-03-28 23:43 | Work

5Sがもたらす変化。

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年が明けてしばらくたちました。

ウガンダは乾季。夏!です。


昨年末に失敗に終わった、第一回5S Committeeも無事開催でき、
そして1月13日にはKapchorwa Hospitalで正式に5Sを始動する「5S Launching Day」を開催しました。

今は、まず最初のステップである「Sort」を全病院で行っています。
Sort=いるものだけ残して、必要ないものをWorking placeから取り除く

一見簡単のようですが、これが結構厄介です。

今まで整理整頓を全くしていなかった病院のすべての場所から、いらないものが出てくる出てくる。
さらにメインストアを整理整頓すると、まだまだ使えそうなものがいっぱい出てくる出てくる。

この5Sで一番大切なのは、スタッフ全員が協力して5S Activityを行うこと。
合言葉は「No Obsever in 5S」です。

とは言ってもやはり全員がやる気になるわけでもないし、一筋縄にいかないのがウガンダらしいです。

この5S。もちろん病院のWorking Enviromentを向上して、最終的にはQuality of Care向上を目標に始めたのですが、私自身にとっても変化をもたらしてくれていると感じています。


1つ目。
5S Consultantとして病院全体の5Sにかかわるようになったため、薬局の通常業務をスタッフにまかして最近は5Sに専念して仕事しています。
5Sのおかげで、着任以来ずーっと悩んでいた自身がマンパワーとして働くという問題が解決されました。
実は5Sを始める前、薬局スタッフの勤務態度がまた悪化し、勤務時間内に1時間、2時間行方不明、
昼休憩後仕事に帰ってこない、夕方は就業時間前にふらーっと消えるなどなど、
私にマンパワーを期待しているような状況がありましたが、この5Sをきっかけにマンパワーから一歩引くことにしました。
そうすると、薬局スタッフは私がやっていた仕事もきちんとやるようになりました。


2つ目。
病院の5S Managerとして選ばれたMr. Onyanga Geoffreyとの出会い。
院長、看護部長、アドミニと話し合って選出した彼は、本当に信頼できる人です。
一番感動したこと。今後の5Sの計画を話し合っているときに、
「自分はこれをするから、残りはユキが担当してくれ」と言ってくれたこと。
今までにウガンダ人のほうから「自分がこれをするから」と言われたことが一回もなかったので、
この単純な言葉に涙が出そうになったくらいうれしかったし、同時にとても驚きました。
彼は本当に真面目で、時間も約束も守るし、仕事終了後(5時以降)でも、土曜日でも日曜日でも構わず
私とMeetingを持ってくれます。しかもそれはすべて彼のほうからの提案で。
彼は薬局のスタッフではないので、5Sがなかったらこんなに親密に仕事をすることはなかったと思いますが、
彼が5S Managerを引き受けてくれて本当によかった。



まだまだ先行きは不安ですが、着実に、日に日に病院が、各部署が整理整頓されていっています。

5S(Sort, Set, Shine, Standardize, Sustain)
病院がきれいになって、スタッフが働きやすくなって、モチベーションも上がって、そして患者へのサービスが向上するのが目標。
同時に私の活動のモチベーションもあげてくれています。

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by yuki_nov14 | 2010-01-24 01:48 | Work

ウガンダでも師走

12月に入って、新たなプロジェクトを始めることになりました。

きれいな病院プロジェクト-5S-です。

5Sとは日本人ならたぶん大体の人が知ってる、
1 整理(Sort)
2 整頓(Set)
3 清掃(Shine)
4 清潔(Standardize)
5 躾(Sustain)
のTOYOTA方式。

それがJICAのプロジェクトで病院にも適用されて、現在までにアジア、アフリカでいくつかのプロジェクトが行われ、Total Quality Managementの向上に役立っているという評価のようです。

赴任当時から5Sに取り組みたいと思っていたのですが、なかなか病院全体を動かすことができないまま、
自称「1人5S」を薬局やらストアやら身近なところでやってきました。

それが今回、Kapchorwa Hospital全体でも正式に5S Activityを導入することになりました。

あと残りの任期半年となって、なにやら動き始めた予感です。

12月第1週:病院事務局長、看護部長に5S紹介のミーティング
12月第2週:院長、事務局長、看護部長と5S導入同意と今後の計画についてミーティング
        そして各部署の責任者を呼んで5S紹介のミーティング
12月第3週:病院スタッフ全体ミーティングで5S紹介のミーティング

とまぁ、今までのアフリカンタイムとは打って変わり猛スピードでの展開。
自分も5Sのことを詳しく知っていたわけではないので、文献読んで勉強して、パワーポイントを作成。
連日深夜まで仕事でした。

気がつけば、クリスマス。ウガンダではクリスマスがクリスチャンにとってとても大事なイベントらしく
本当なら今日やるはずだった、「第一回5S委員会」が流れました(涙)...委員会メンバー集まらず。
みんなクリスマスの準備で浮足立って5Sどころではなかったようです。
第3週まではよかったのになぁ。がっくし。クリスマスには負けました。

そんな感じでウガンダでも師走を迎えています。

(病院スタッフ全体ミーティングfor5S、出席者74人!)
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by yuki_nov14 | 2009-12-24 02:05 | Work

Just a pair of Gloves

薬局での仕事を終えて夕方病棟をうろうろしていた時のこと。

患者の付き添いの男性に声をかけられた。

「Maternity Wardに入院している女性の処置をしてもらいたいが、Nurseがいない。
Nurseがどこにいるか知っているか?」

おそらく患者さんのだんなさんかな。

患者さんを見てみると、帝王切開の手術後で、尿道カテーテルがずれているらしく尿が漏れていた。

患者さんも私が薬剤師であり処置ができないことは承知の様子で、処置をしてもらうための看護師を見つけてほしいとのことだった。

Maternity Wardにはスタッフが誰もいない。

当番のスタッフは別の帝王切開のため、手術室でオペを手伝っていた。

医療スタッフ不足が大問題のウガンダ。夕方5時から8時までを担当するEvening Nurseの割り当ては各病棟一人。
その一人が緊急帝王切開で手術室に入ってしまうと、残りのMaternity Wardのケアをするスタッフは当然いなくなる。

当然のことながら薬剤師である私には処置はできず、ただ無力。

たまらず、隣のFemale WardのNurseに声をかける。「カテーテルがうまく入らず尿が漏れてるから助けてあげて。」
自分にできることはただそれだけ。

しばらくたってもFemale WardのNurseが処置せずにいるので、まただんなさんに声をかけられる。
「あなたが言うときっとNurseが働いてくれるからもう一度言ってくれないか」と。

もう一度Female WardのNurseに声をかけて帰ってきた言葉。

「There are no gloves」グローブがないから処置できない、と。

だんなさんが「グローブを買ってきたら処置してくれるか?」と聞くと、

「自分はFemale Wardのスタッフで、Maternity Wardのことに関与するともし問題が起こったときに責められるから
 Maternity Wardののスタッフが手術室から帰ってくるまで待って」とNurse。

確かに日本でも、自分の病棟以外のことには手を出さないという暗黙のルールがある。

カテーテルから尿が漏れているからってすぐに容体が急変するわけではなく、帝王切開も40分もあれば終わるはずだから、
Female WardのNurseの言い分もよくわかる。

そんなやり取りの後、やっぱり自分には何もすることができず、ただその場を立ち去ることしかできなかった。

なんて無力な自分。

もし、すぐ手袋が手に入る状況だったら、Nurseは動いてくれただろうか。
きっと動いてくれたと信じたい。

たった1組の手袋がなかっただけで、患者さんはそのまま放置されてしまった。

ウガンダでは病院の予算だけでは十分な薬剤も医療材料も買うことができずに、患者が自己負担で買わなければならない状況が多々ある。
極端に言えば、お金持ちの人は救われるけど、お金がない人はただ病院で寝ているだけという状況。
医療が無料であるとは言っても、万人に平等な医療が施すことができないでいる。

いつも薬局で忙しく薬を払いだしているけど、たまに病棟の現実を目の当たりにするとき、
自分の存在に果して意義があるのか、少し落ちこむ。

そんな出来事だった。
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by yuki_nov14 | 2009-12-05 00:48 | Work

あと7か月ということ。

なんだか最近、活動がうまくいってるように感じない。

とは言っても、病院の状態は赴任当初よりずいぶん良くなってると思う。


今までにいろいろ提案してきたことは、定着とまではいかないけど、まぁまぁスタッフに浸透してきてて、
ストックカードも適当に書いてる人もまだいるけど、でも書かないということはなくなって、
ストアキーパーも毎週のWeekly Reportで在庫管理をしっかりやってくれていて、
当初に比べたらかなり進歩してきたかなぁと思ってみたり。

そして最近、もう一歩前進みたいんだけど、きっかけがない。

要は、自分のボランティアとしての協力の仕方の問題があるんだと思う。

自分の活動を分析してみて、1年目はカウンターパートである薬局長とかなり話し合いを重ねて、
私の意見と、彼の意見を両方取り入れながらいろんなことを進めてきた。

2年目に入って、彼との距離が少し遠くなってしまった気がしている。

原因の1つに、彼があまり薬局にいないことが挙げられると思う。
仕事には来てるんだけど、何かしらの用事(お見舞いとか私用とか)で薬局にいない時間が多かったり、
調剤の業務が忙しすぎたりで、なかなかじっくり話し合う時間が持てないでいる。

そしてまた原因の1つに、私がマンパワーとして働くことを受け入れてしまったことが挙げられると思う。
1年目は、マンパワーとして働くことがすごくいやで、自分が来た意味を見つけようと、
いろいろなことを提案してみた。
今、薬局のある1スタッフが欠勤の常習で1か月間に2日くらいしか出勤してこない。
その彼の穴を埋めるためには、私もマンパワーとして働かざるを得ない状況。
そうしていると、他の薬局のスタッフもなぜかさぼりがちになる。
なんだか、去年の今頃も同じような状況になってたな。
私一人を薬局に残して、みんなが消える。
もう慣れっこになてしまって、一人で働いてるけど。

でもこの半年間の自分の活動を見返してみると、何にも進歩していない気がする。

このままじゃだめだな。

もう一度、カウンターパートと向き合あわないとな。

アフリカンタイムもいいんだけど、私に残された時間は限られてる!
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by yuki_nov14 | 2009-11-28 02:08 | Work

News Letter

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最近、とはいっても7月からなんですがKpachorwa Hospital News Letterというものを発行しています。
月1回から2回を目標に今まで3号まで発行して、今4号を作成中です。

News Letterを始めたきっかけは、先輩隊員のアイデアをパクったっていうのもあるけど、
前にも書いたように、うちの病院ではCME(Continuous Medical Education)Meetingというものが全く行われいないので、情報の共有ができていないという、致命的な問題をどうにか解決したいと思ったから。
CME Meetingというのは、まぁ日本でいうところの院内勉強会みたいなものです。
Ministry of Healthから週一回行うよう通達が来てるにもかかわらず、うちの病院では全くやる気がない様子。
まぁCMEに限らず他のミーティングも、あってないようなもの、気まぐれに行われてる状況。
だから何も変わらないんだよ(怒)なぁんて、心の中で愚痴ったりしてますが。
でも、ミーティングをやるのは病院のAdministrationの問題なので、私がいちいち口を出すにはいかず。

それでもやっぱり情報共有の場を持ちたいなぁともがいた結果、News Letterに行き着いたわけです。
これまでは、私の問題と思ってることを主に取り上げてきました。
1号:Importance of Stock card
2号:Rational Use of Antibiotics
3号:Inportance of Hand washing
てな具合で、本当ならCMEで話して、みんなで意見交換したいところですが、まぁそこをぐっとこらえて。

このNews Letterにどれだけの効果があるかどうかは不明です。
みんなきっと読んでくれてるとは思うのですが、どこまでSeriousにとらえているのか。
前にMinistry of HealthのVisitorが病院の視察に来たときは、「とてもいい」と言って参考に持って帰って行きました。
そして看護部長も「とてもいい」と言ってくれて、今回の4号には看護部長が自ら投稿してくれることになりました。
お題は「Importance of time keeping」
遅刻が当たり前になっている当院の状況をどうにかしたいと、看護部長が「書きたい」と言ってくれたのです。

そのとき看護部長と話したこと。
この病院の問題は何と言っても「実行力がないこと」と。
いくらMeetingを開いて問題点をあげたり、News Letterでよびかけたりしても、みんながやる気をもって行動を起こさないと意味がないと。

最近読んだある本に、『世界銀行などの援助機関はアフリカ人が怠惰だから、投資しても無駄だと思っているがそれは間違いだ』というような内容があった。
確かに「怠惰=貧困」と決めつけるのは非常に危険だし間違った理解だと思う。
でも、アフリカにきて、実際にウガンダ人と働いてみて思うことは、
やっぱりもうちょっと頑張れることはあるんじゃないかと。
みんな口をそろえて言うことは「今日は私一人なのに、患者はめっちゃ入院してきてストックカードなんかやってる場合じゃない!」とか、「私はちゃんとやっても他のスタッフがちゃんとやらないから知らない」とか。
な~んだかなぁ。確かに病院の予算はきつきつだし、スタッフの給料も安いかもしれない。
でも、「120%努力したけど、駄目だった」という状況ではない。
みんななにかしら理由をつけて努力をする前にあきらめてしまって、楽をしようとしてるのではと私の目には映ってしまう。

そんな中、私が思いつくアイデアをどんどん提供して、120%努力して、それで病院がその中の1%でもいいと思って行動に移してくれたら、そしたらその時いい方向に向かうんじゃないかなと、かすかに期待して、これからもNews Letterを続けようと思う。
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by yuki_nov14 | 2009-11-08 00:27 | Work