青年海外協力隊20-1ウガンダ薬剤師からのちょこっとウガンダ便り。


by yuki_nov14
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ウガンダの医薬品事情

ここ最近、病院の薬の在庫状況が非常に悪い。悪過ぎます。

処方箋を受け取っても、何も患者さんに渡せないことがしばしば。
渡せたとしても、在庫があるのはたった1種類だけってこともしばしば。
いったい自分は薬剤師としてここで何をしているのだろうと、情けなくなってしまいます。

ウガンダに来る前に知っていた途上国の医薬品事情は、
「先進国の大企業製薬会社が特許を牛耳っていて、薬が高くて途上国は薬が買えない」と言うこと。
ウガンダに来てみて、確かに日本にあるような最新薬は手に入らないけれども、
でも一応WHOの定める必須医薬品はインドや中国、そしてウガンダの製薬会社がジェネリック薬を製造していて、ウガンダ国内でも入手できるように法整備されています。
そして国の卸のカタログにも必須医薬品が掲載されています。
世界的に言われている必須医薬品へのアクセスは一見可能なように見えます。


そして実際片田舎の県病院で働いてみて知ったウガンダの医薬品事情。
・国全体のお金がなくて、国が定める卸に十分にストックがない。
・国全体のお金がなくて、病院の需要に見合った予算配分がされていない。
予算は県の人口によって配分されているということだけども、私が計算したカプチョルワ病院の医薬品平均消費量の3カ月分しか、来年度1年分の予算が配分されていなかった。
・配分された予算分卸にオーダーしたのに、3分の1程度しか配送されない。そしてその後のフォローアップがない。配送されなかった分の残った予算がいつの間にか卸にある病院の口座から消えているらしい。
・ヘルスセンターのスタッフが仕事に来ないから、患者さんみんな病院に殺到するらしい。そして、病院での薬の需要量が予算配分より多くなってしまっている。
・ヘルスセンターのスタッフが薬を不正流用して私営薬局に転売しているのでヘルスセンターに薬がないらしい。だから患者さんは病院に殺到するらしい。
・クリニカルオフィサーによるPolypharmacy(不必要な薬の処方)がとても多い。
それが消費量にかなり影響する。マラリアの検査せずに抗マラリア薬、ただの風邪に同種同効2種類の抗生剤処方。ただの風邪に注射抗生剤単回投与。感染症じゃないのにとりあえず抗生剤投与。などなど。
・患者がマラリアの仮病で来院。頭痛、筋肉痛=マラリアでクリニカルオフィサーも簡単に抗マラリア薬処方。この背景には、ヘルスセンターが遠すぎで夜間マラリアになった場合に困るので、常に自宅に抗マラリア薬をストックしておきたいという事情があるそうだ。そしてそんなにむやみに抗マラリア薬(ACT)を処方し、患者も3日間飲みきらないので、ACTに対する耐性が出始めているらしい。これは結構世界的に問題になると思う。


来週には卸が薬を配送に来る予定です。その予定もたびたび遅延します。
それでも、今度こそ注文した医薬品、医療材料が100%納品されることを祈るばかりです。
病院内でのPolypharmacy問題は、私がもっと頑張るべきだった課題です。あと1か月で何ができるのか。
ヘルスセンターの問題は、県保健課と国が動いてくれないとどうにもなりません。
抗マラリア薬問題も今後どうなるのか、気になります。ACTに耐性が出てしまったら今後どうなるのか。。。

結局2年間で医薬品事情に根本的にかかわる活動はできなかった。
もちろんこの問題を一隊員が解決なんてできるわけないことはわかっていましたが、それでもやっぱり
毎日毎日患者さんに「This medicine is out of stock. Please buy it.」と告げなければならないのは、
薬剤師隊員として無力さを感じるばかりです。
でも、自分なりに草の根レベルで問題を把握することができたことが、やっぱり協力隊員としての収穫なのでしょうか・・・。


(薬局ストア。在庫がなくがらんとしてます)
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(もう抗生剤が全然ないです。CotorimoxazoleはHIV患者さんのためだけにキープしてます)

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by yuki_nov14 | 2010-05-11 01:39 | Work