青年海外協力隊20-1ウガンダ薬剤師からのちょこっとウガンダ便り。


by yuki_nov14
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

Kapchorwa Hospital

配属先(職場)は、カプチョルワ県唯一の総合病院であるカプチョルワ病院です。
ウガンダの病院には公立病院、NGO病院とプライベート病院の3種類ありますが、カプチョルワは田舎で人口もそれほど多くないので公立病院である当院しかありません。
あとは町に3件ほどクリックがあるだけで、そのクリニックの診察も当院のクリニカルオフィサーが兼任している形です。
つまり当院はカプチョルワの医療の要といえると思います。

そんなカプチョルワ病院、病床数公式データは57床なのですが、実際は100床のベッドがあります。というのも1966年に建設された古い病院で最近の人口増加に対応できておらず、ベッドを規定以上入れて無理やり100床にしてしまっています。
外来の診療は一般内科、眼科、耳鼻科、精神科、整形外科、歯科、HIVクリニックがあります。しかし医師は1人しかいません。
ウガンダでは、医師とは6年制大学に行って1年の臨床研修を受けた人のことを言い、それとは別にクリニカルオフィサー(C/O)という職種があります。
C/Oは3年制の専門学校を卒業した人で外来の診察と処方をしています。
入院診察と手術は医師が行っています。

c0190147_2112890.jpg

私の所属は薬局です。薬局には5名のスタッフがいますが、薬剤師はいまだかつてカプチョルワ病院に存在したことがありません。
ちなみに私はカプチョルワ県初の薬剤師だそうです。
ウガンダでは薬剤師不足がかなりの問題で、大学に薬学部ができたのも20年ほど前で、多くの公立病院に薬剤師がいないそうです。
で、どうしているかというと、3年制の専門学校を卒業したディスペンサーといういわいる調剤助手の資格が存在して、その人たちが薬局で働いているようです。
カプチョルワには今までディスペンサーすらおらず、スタッフはEnrolled Nurseというこれまた3年制の専門学校を卒業した準看の資格を持つ3人と、Pharmacy Orderlyという薬局の事務屋?1人と、なんとキッチンスタッフ1人で構成されています。
キッチンスタッフはもともと食堂で働いていたのですが薬局の人手不足プラス食堂閉鎖にともない薬局スタッフとして受け入れられたようです。


さて、仕事の内容ですが、まずは調剤。日本と違って処方箋は手書きで単なる紙切れです。
薬歴の管理はありません。
ただ患者さんが自主的に過去の処方箋をとっている場合は薬歴が見れるという状況です。
そして外来カルテはありません。
処方箋(と言う名の紙切れ)に診察と診断と治療を書き込んでいます。

が、私は上記クリニカルオフィサー(C/O)の診察能力にかなり問題があると思っています。
処方箋の内容を見る限り、正しく診察できているとは思えない状況です。
たとえば、同じ処方内容が何人も連続したり、小児に対する薬容量がさじ加減であったり各C/Oによって異なったり。
日本ではすべてがコンピュータ化されていて薬容量や相互作用など疑義照会する機会が少なかったように思いますが、ここでは疑義照会する機会がかなり多いです。

c0190147_2132074.jpg

そして、実際の調剤はバラ錠を小分けパックに入れる手作業です。
来る前に想像していた以上に薬の種類は揃っています。
ただ日本のようにPTPシートに入ったものは高いので公立病院で買えるのはボトルに直接錠剤が入った、いわゆるバラ錠がメインです。
薬の製造元は、インド、ケニア、中国、そしてウガンダ産で、ほぼすべての薬がジェネリック薬です。たまにイギリス製造のものも見かけます。

公立病院で扱うこれらの薬は政府(保健省)が輸入を取りまとめていて、保健省の下部組織であるNational Medical Store(NMS)という卸施設が供給、管理を行っています。


半年働いてみて一番の問題を感じている点は、薬の調達です。日本の病院だと毎日発注、翌日入荷なんて当たり前ですが、さすが途上国、そう簡単にはいきません。
今のところ当院はNMSに3カ月に一回発注しています。
ここできちんと3ヶ月分を決められた日に持ってきてくれればまだいいのですが、問題は「発注してもいつ来るかわからない(たぶん3ヶ月くらいしたら持ってくるだろうという感じ)」、「発注した薬が在庫切れのことがよくある」、ということです。
この点にはかなりストレスを感じてしまって、何度も病院のスタッフと話をしていますが、病院だけの問題ではなくすでに国家レベルの問題にまでかかわってくるので私の力ではどうしようもない感じです。
この薬の調達がうまくいかないせいで、患者さんに薬を渡すことができない。。。
患者さんに薬がないと言うことが当たり前になってしまっている、患者さんもそれを当たり前に受け取っている。他にもまだまだ問題はあるのですが、これが一番悲しい状況です。
何とかこの状況を変えるべく頑張っているつもりです。
ちょっと専門的な話になりすぎましたかね?
今回はこの辺で。また次回に詳しくお伝えしたいと思います。
[PR]
by yuki_nov14 | 2008-12-27 21:23 | Work